持ち寄って、おしゃべりしながら、クリエイティブな解決へ|HIROSHIMA RIVER LAB
HLLは参画のための3つのステップ「気づく」「深める」「形にする」を掲げています。そして、学ぶだけ、アイデアを出すだけで終わらせるのではなく、アクション(実験・試行)につなげていくことを大切しています。今回は、そんなHLL発の待望の1stプロジェクト「HIROSHIMA RIVER LAB」の勉強会でした。
今回のテーマは、「川辺の賑わいづくりの課題解決アイデアを考える」。
広島市内の基町環境護岸を中心とした川辺空間を、全国初の100%市民によりエリアマネジメントをしている団体、RiverDo!基町川辺コンソーシアム(以下、RiverDo!コンソ)代表の西川隆治さんと常務理事兼事務局長の堀江剛史さんをテーマオーナーとしてお迎えしました。
2部にわけて進行した勉強会の前半。
まずHLLのボードメンバーでRiverDo!コンソの理事でもある水木さんからエリアマネジメント団体の概要説明があり、西川さんから「川(River)」で「Do!する(どうする)」ようなアクションする市民が増え、川辺に新しい景色が生まれてくることを目指しているといった想いやビジョンがシェアされました。
その後、参加者と一緒に学び考えたい課題として提示されたのが、広島市の保健所のルールで臨時出店では、「同じ場所で、4日以上食品の調理・提供ができない!!」。これは、RiverDo!コンソが占用しているフィールド(基町環境護岸)でにぎわいづくりのためにイベントで飲食を提供しようとしても、年間3日間までしかできない、ということ。これは、1年間の活動をしたからこそ直面した課題でした。
この課題に対して、「このルールがおかしい。変えろ!」といった対立的な反対運動でもなく、保健所に黙ってルールを破るのでもない。ルールを守りながら、川辺だけでなく、地域で外の公共空間を利用してにぎわいづくりをしたい人があきらめずに済む、クリエイティブでみんなが真似できる解決方法を見つけたい。そういったお題でした。
この課題を深めるために、なんと広島市の保健所の担当の上田さんと石井さんが参加し、このルールについて説明してくださいました。その説明を受け、参加者の側も質問し、解決の道を探っていく。こうした、行政の人と民間事業者や市民が一緒の場で話し合うスタイルは、まさにHLLが目指す「共創」そのもの。こうした場だからこそ、お互いが少しずつ胸襟を開き、一緒に考え合うことができたように思いました。
後半は、前半の話ややりとりを受けて、参加者のみなさんの知見を出し合うディスカッションタイムに。
・まさにこの課題に直面している。一緒に解決方法を探りたい。
・同じような、公共空間を使ったにぎわいづくりをしている。今からこの課題に直面しそう。
といった人がいたり、
・同じ課題に対して、他の県でこんな形で解決しました。
・飲食ではないけど、他の都道府県の事例を調べて、保健所の人と話し合ったら運用ルールを変えてくれた
といったご自身が経験した具体的な事例を提供してくれる方も。
・普段の置き場所は確かに問題。仕事柄、遊休土地の情報が入ってくるのでそういったところを提供できないか
・医師をしているが、仮設であっても、保健所の許可が出るようなしっかりとした設備が望ましい
といった、個人のキャリアを活かした視点やアドバイスも出てきて、アイデアのポットラック(持ち寄り)パーティーのような状態に。
最後には、西川さんが実験的につくった持ち運びできる仮設シンクをお披露目し、改善点を洗い出すなど、「これは解決まで行けそうだ」と思える具体的な話にまで至りました。
HIROSHIMA RIVER LABとして、仮設の屋台のようなものを作っていくという次のアクションが宣言されて、この日は終了しました。
HLLとしては、課題は具体的であればあるほど、具体的で実際的な知見やアイデアが参加者のみなさんから出てきて、共創しやすい場になることを学ぶことができました。
ご参加いただいたみなさま、RiverDo!コンソ西川さん・堀江さん、保健所の上田さん・石井さん、年度初めのお忙しいなか、ありがとうございました!
(HLL・岡本)
(写真:おだやすまさ)
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